風が少し強い日に湯沢高原に出掛けて、一人でぽつんと駅近の旅館に泊まった。凄く素敵な宿に、凄く暖かい足湯に、びっくりするくらい美味しいかぼちゃのマドレーヌがあって、温泉と饅頭をひとしきり齧ると、硫黄の効能と饅頭の舌鼓にほんの一時浸れた。
なんだかほっこりして、なんだかちょっと涙が溢れて、これまでの過程で幾つのものを失っていることに気がついて_それは大抵人として生きる上で凄く大切なもので___僕にも昔こうして大切にしてた人がいた。結局、今日も過去に生きているのかもしれない。
あるいはそうして、今日も僕は言葉を書けているのかもしれない。おはよう。おやすみ。
